【たたき台】コロナをテーマに社会科授業を作ってみた

主権者教育

こんにちは、自宅待機中大学院生のべっきです。
中学校社会科教員志望生としてコロナをテーマに授業が作れないかと思い作ってみました。

対象は大阪府の公立中学校に通う中学校3年生、テレビ電話で授業を行うことを想定しています。
また、公民の授業開きをイメージして3時間単元として作りました。

この授業はあくまでも試案なので、もっとよい授業展開や資料があればご意見ください。
また、2020年5月2日時点での情報を参考にしています。

授業の目標

この授業の目標は以下の3点です。

  • 政治が私たちの生活に大きくかかわっていることを理解する
  • 政治的な意思決定には多くの人の意見や法的な規制、財政的な要因が関わっていることを理解する
  • 答えがひとつでない問題であるからこそ、批判的な思考で政治のありかたを考え続けようとする態度を養う

テーマ設定の理由(授業観)

今回コロナをテーマに社会科の授業を作ろうと思った理由は以下の3点です。

子どもたちにとってリアルな社会の問題であるため

  • 新型コロナウイルスの蔓延によって学校は休校となり、外出自粛を要請され、生徒の生活にも大きく影響を与えています。
  • 状況が落ち着いたあとのほうが情報の整理はしやすいかもしれませんが、現在進行形で動いている今だからこそ生徒も社会科を学ぶ意義を感じやすいのではないかと考えています。

「今」「自分」の視点だけでは想像しにくいことを考えてもらうため

  • 「今さえよければいい」という考え方では、ウイルスの蔓延だけでなく自然災害、人口減少など予期していなかった現象に太刀打ちできません。
  • これまで勉強や部活を頑張ってきた生徒は特に、「自分の努力が自分の結果につながる」という意識を持っている可能性があります。しかし、自分の努力だけではどうにもならない問題を抱えている人が今特にたくさんいます。その人たちのために政治があるのだと考えてほしいです。

政治の役割を考えてもらうため

  • 政治は「正義の実現(プラトン)」「最大多数の最大幸福(ベンサム)」と言われるように、共通善や秩序の実現を目標価値としています。今どんな政策が人々にとって正義か、議論が分かれています。
  • また、学習指導要領解説には公民分野で教えるべき内容として「現代社会の見方・考え方の基礎となる枠組みとして,対立と合意,効率と公正などについて理解すること」と書かれており、この目標もこのテーマを扱う根拠となりえるでしょう。

次ページからは実際の指導計画を記述します。

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コメント

  1. B15 より:

     面白い内容の授業だなと感じました。特に3時間目については子どもに近い問題かつ政府の外出自粛の政策が悪い方向に影響している例であり、最後の「政府の方針に従うだけではなく、これから自分はどう行動すべきか考える」という態度が求められていることを伝えるにはもってこいの内容だと思います。しかし、逆に子どもに近すぎる分、実際にこのことで悩んでいる子どもが教えられる側にいる可能性は見る必要があります。
     また、単元構成として1時間目が国内政治・憲法、2時間目がグローバル化、3時間目が国内政治とコロナ見る視点を変えています。多様な視点を子どもに提供できるというメリットはありますが、3時間目と1,2時間目の内容がつながっていないようにも感じます。ここではいっそ「コロナと国内政治」「コロナで見るグローバル化」と視点をより絞った単元指導計画を分けて作るのはどうでしょうか。
     細かいことではありますが、2時間目④「なぜ海外の入国者を止められなかったの?」で使われている教材ですが、観光客に産業が大きく支えられていたということを言いたいのであれば、「産業全体の中の観光(特に外国人)」の割合を示した方がいいかと思いました。

  2. saki より:

    興味深く読ませて頂きました。
    私が中学3年生でこの授業を受けたらと思うと、あまり前のめりにならないかもです。
    現在、情報は溢れていて、興味があればいろんな方法で知ることが出来ます。
    元々政治に興味を持っている生徒、また実際コロナで困った事態になっている生徒(例えば幼い妹、弟がいて親の仕事に影響が出ている、親が飲食業を営んでいるなど)には、響くことはあるかもしれませんが、その他の生徒にどこまで響く内容かというと、どうなんでしょうか。(憲法とか出てきてところで、…となるかも、私でしたら。テストの為に覚えるかもしれませんが。)
    今の暮らしと政治の関わりに興味を示して、理解することを目標とするなら、まず、生徒が興味を持ちそうな項目1つ、2つに絞り、生徒が「なるほど~」ボタンがあるなら、「なるほど~」「なるほど~」と押したくなる内容から、このコロナの件をきっかけにするのはいかがでしょうか?「政治は、自分の生活の影響がある」という印象を持つことで、別の項目についても、聴き方、伝わり方が違ってくるのではないでしょうか?
    働きだして税金を納めたり、子育てしてると、政治についても気になることはあっても、やはり、ここでも、政治に興味のある大人、本当に困ってるいる大人しか目を向けない社会があるかもしれません。
    そう思うと、政治と暮らしがつながっていると理解する教育の時間は大事と思います。教科書の内容をただ覚えてよしとする教育でなく、きちんと伝えて理解してもらう教育を受けた若者が社会人になった時には、今と違う社会が出来ているのではないでしょうか?
    私個人的には、学生時代、全く政治に興味を持つことなく過ごした生徒のひとりです。ただ、中学生の時に、「税について」の作文を書く機会があり、初めて、「税金て何?」と親に尋ねたことがあり、親の解答は、お酒を取り上げ、税金がかかっている話をしてくれて、とてもわかりやすく理解出来て、それが、社会人になって政治に興味を持つ時に、政治は意外に身近なことが関係していると考えられるようになりました。
    あと気になりましたのは、「正義」という言葉。「正義」は、いろんな方面の「正義」があり、ひとつの方面からの「正義」だけが全てではないと思います。
    ブログ、生徒に伝えたいという熱い思いが溢れていて、素敵と思います。

    • littlecyclamen littlecyclamen より:

      返信が遅くなりすみません。ご丁寧にメッセージいただきとてもうれしいです。読んでいただきありがとうございます。いただいたご指摘は今後の授業づくりに生かせていただきます!

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